悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
9月中旬。
灯里は有休をとり、転職活動のため東京に来ていた。
夕暮れ。
新橋の近くを歩きながら灯里は辺りを見回した。
灯里の住む町とは人の多さも時間の流れも違う。
物が溢れ、ここで手に入らないものなどない。
新しいもの好きな灯里にとっては数々の発見があって楽しいが、これまでののんびりした地方都市での生活との違いに少し戸惑うこともある。
玲士も上京したとき、同じように思ったのだろうか?
「玲士……」
そういえば、今月末は玲士の誕生日だ。
灯里は足を止め、ちょうど横にあったデパートのショーウインドを眺めた。
灯里はこれまで玲士に何度かプレゼントを貰ったことはあるが、灯里からプレゼントしたことはない。
もちろん男性に何かをプレゼントするのも初めてだ。