悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
9月下旬の週末。
灯里は転職活動のため玲士のマンションに滞在していた。
これまでに書類を出した会社は3社。
そのうち1社から面接の案内があり、土曜日、灯里は面接に臨んだ。
「……で、どうだったの?」
――――夜。
夕食の後、リビングのソファに並んで座った二人は灯里の転職活動について話をしていた。
「うーん。なんとも言えない感じかな……」
灯里は背もたれに寄りかかり、天井を見上げた。
今回の会社は貿易事務での応募だ。
事業拡大中の会社で、人手不足により増員が必要となったらしい。
面接した人は普通だったが仕事の内容がちょっと気になる。
「人手不足で増員するだけあって、入社したら相当忙しくなりそうな感じかも」
「……」
「深夜残業も普通にあるみたい。それでも良ければって言ってた」
「……却下」
玲士の言葉に灯里は眉を上げた。
見ると、玲士はどことなく冷やかな瞳で灯里を見つめている。