悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



「考えるまでもないでしょ。最初から深夜残業前提なんてブラックもいいところだよ」

「で、でも……」

「もともとミジンコのお前が、そんな会社で何ができるの? 虐げられたあげく奇形になるのが関の山だよ」


あまりの言われようだが玲士の言いたいこともなんとなくわかる。

しかしそうなると、また振出しに戻ることになる。

はぁと息をついた灯里を玲士が横からじっと見つめる。


「ところでお前。今の会社はいつ辞めるの?」

「いつって……」


灯里は驚き、玲士を見た。

玲士は真剣な瞳で灯里を見つめている。

何か言いたげなその瞳に、灯里は首を傾げながら口を開いた。


「次が決まるまでは、やめるわけには……」


と言いかけた灯里だったが。

目の前にある玲士の瞳がみるみるうちに冷たさを帯びていくことに気づき、言葉を止めた。

怪訝な顔をする灯里の顎に、玲士はそっと指を伸ばす。


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