悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
と言いかけた灯里に、玲士は唇を歪めて笑った。
冷やかなその瞳に灯里は息を飲んだ。
「だから貿易事務なんて言い出したわけ? 笑えるね、全く」
玲士の言葉に、灯里は頭にカッと血が上るのを感じた。
玲士から見たらくだらないことなのかもしれない。
けれど灯里にとっては大事なことなのだ。
「なんでそんなこと言うわけ? あたしは玲士のためにっ……」
喚くように言った灯里の肩がとんと軽く押される。
ソファの上に上半身を倒され、灯里は息を飲んだ。
玲士の瞳が真上から灯里を見つめる。
その瞳に揺らめく熱に吸い寄せられるように、灯里は玲士の瞳を見つめた。
「おれのため、ねぇ……」
くすりと玲士は笑う。
しだいにその顔が近付いてくる。
鼻先が触れそうなまでに近づいた時、玲士は灯里の両頬をそっと手で包んだ。