悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「まぁ、これはあくまでおれの望みだけどね?」
「……玲士……」
「おれは正直なところ、お前に仕事をしてほしくない。おれは嫉妬深いし、お前が職場で新しい男と会うかと思うと、気が気じゃない」
「……っ……」
「それにお前、貿易事務を本当にやりたいの? お前が本当にやりたいことならおれも仕方ないって思えるけど、そうじゃないでしょ?」
玲士の言葉が灯里の心に波紋を広げていく。
……本当に、やりたいこと……。
玲士は灯里の躰を抱き寄せ、首筋に唇をそっと押し当てた。
とても愛しいものに触れるように。
優しいその感触に、灯里の心に温かいものが広がっていく。
「お前、本当はどうしたいの? ……言いなよ、全部受け止めるから」
「玲士……」
「もっと甘えてよ。お前は何でも、一人で考えすぎだよ?」
玲士は甘い声で囁きながら灯里の首筋に赤い花を咲かせていく。
自分がやりたいこと、そして玲士の願い……。
もう一度、ちゃんと落ち着いて考えた方がいいのかもしれない。
灯里は玲士の甘いウッドノートの香りに包まれながら、そっと目を閉じた……。