悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
3.ミステリーツアー
翌日の朝。
ダイニングテーブル越しに座った玲士に灯里は小さな箱を差し出した。
「はい、これ」
和紙でラッピングされた、上品な雰囲気の小箱。
首を傾げて箱を受け取った玲士に、灯里は少し笑って言った。
「ちょっと早いけど、誕生日プレゼント。明後日だよね、確か」
灯里の言葉に玲士は嬉しそうに目を細めた。
その柔らかい笑顔に思わずドキッとする。
「開けていい?」
「もちろん。玲士の趣味に合うかはわからないけど」
玲士の指が器用にラッピングを解いていく。
やがて箱から出てきたのは赤とベージュのチェック柄のネクタイだった。
どこか上品でクラシックな感じのするその柄に、玲士は目を細めた。
「いい柄だね、灯里」
「……ほんと?」
「おれ、こういう柄好きだよ。ありがとう、灯里」