悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



週末の夜。

灯里はベッドの上でこの間玲士に言われたことを思い出していた。


『お前、本当はどうしたいの?』


自分がどうしたいのか……。

玲士に言われ、自分がさほど貿易事務をしたいと思っていないことに、今更ながら灯里は気が付いた。

自分がしたいのはやはり営業事務だ。

となれば営業事務の仕事を探すべきだろう。


そして、玲士の望み……。

自分は玲士に釣り合うようにもっと上の仕事に就かなければと思っていたが、どうやら玲士の望みはそれとは全く正反対らしい。

仕事をしないでほしいとまで言われるとはまさか思っていなかった。

多分玲士は灯里の意思を尊重したいと思い、これまで言わなかったのだろう。

けれど……。


< 150 / 222 >

この作品をシェア

pagetop