悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
――――2時間後。
二人は山間の駅に降り立った。
どうやらそれなりの観光地らしく、駅前には土産物屋などが並んでいる。
辺りを見回す灯里の腕を玲士がそっと掴んだ。
「こっちだよ、灯里」
「え?」
「送迎が来る予定なんだけど。……ああ、来たね」
玲士の指差した方向から黒い車がロータリーへと入ってくる。
見るからに高級な感じの車だ。
驚く灯里の前で黒い車は静かに止まり、ドアが開いた。
「ご予約の水澤様でいらっしゃいますね?」
「ええ」
「お待ち申し上げておりました。さあどうぞ、お乗りくださいませ」
車を運転してきた初老の男性が丁寧な口調で話しかける。
――――何から何まで高級な感じだ。
車の中も広く、シートの座り心地も良い。
やがて車はロータリーを回り、街の方へと走り出した。
街を抜け、山道に入って少し走ったところで脇の道へと入っていく。
やがて見えてきた光景に灯里は目を丸くした。