悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「USCPAを取得することにした。勉強も兼ねてね」
「……?」
それは食べる物ですか? とはさすがに聞けないが……。
首を傾げる灯里に、玲士はコーヒーを一口飲んで続ける。
「米国公認会計士試験のこと。国際会計の現場では米国基準の知識が必要になることが多くてね。そろそろ必要になりそうだから取得することにしたんだ」
「へぇ……」
「まぁ試験に通っても、アメリカの州に登録しないと会計士としての業務は出来ないんだけどね。日本だと国際会計の資格の一つという扱いかな」
玲士の言葉に灯里は首を傾げながらも頷いた。
……よくわからないがなんだかすごそうだ。
となると、また会えない日々が続くのだろうか?
肩を落とした灯里に、玲士は少し笑った。
「心配するんじゃないよ、灯里。土日は勉強に費やすことになるけど、外出するわけじゃないから。もしお前が会いたくなったら、来ていいから」
「……えっ?」
「ただし、この間みたいに突然来るのはダメ。前もって連絡を入れてくれれば来てもいいよ」
玲士の言葉に、灯里は目を見開いた。
この間までは絶対に来てはダメと言っていたのに……。
この態度の変化はなんだろう。