悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



<side.玲士>



シェードランプの淡い光に灯里の白い躰が浮かび上がる。

夜闇の中、右手の指輪がランプの光を反射し鈍く光っている。


玲士は灯里の躰を組み敷きながら、額にそっと口づけを落とした。

もう何度も抱いているのに、熱情は止まるところを知らない。


灯里の微笑み、声、仕草……。

そのどれもが玲士の心を鷲掴みにする。


「灯里……」


初めは、あの輝く笑顔を思い出すだけで幸せだった。

再会してからも同僚として傍にいるだけでよかった。

灯里と毎日会える、それだけで幸せだった。

けれど、今は……。


好きになればなるほど、愛すれば愛するほど……。

――――失うのが怖くなる。




< 175 / 222 >

この作品をシェア

pagetop