悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



二人は店員に頼み、指輪を試着させてもらった。

指輪は左手の薬指にフィットし優しい輝きを放っている。


「これなら家事する時も邪魔にならないかも。玲士はどう?」

「あぁ、ちょうどいいね」


玲士もどうやら気に入ったらしい。

二人は指輪を注文し、百貨店を出た。

どうやら指輪ができるまで一か月ほどかかるらしい。


「23日に間に合うといいな」

「大丈夫だと思うよ。連絡が来たらおれが受け取っておくから」

「うん、よろしくね、玲士」


二人は腕を組み、歩き出した。

冬の気配が色濃くなるこの季節。

あと一か月でクリスマスだ。


―――― 一年前のあの夜。

二人の運命が重なった、あの夜。


あれから一年経つんだと思うと胸にこみ上げるものがある。


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