悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……念のため確認しておくけど。お前が『水澤』になる、でいいんだよね?」
「うん」
玲士は『夫の氏』の方にチェックを付けた。
それを見、灯里はなぜか頬が赤くなるのを感じた。
――――自分は今日から、『水澤灯里』になるのだ。
そして玲士は灯里の『夫』になり、灯里は玲士の『妻』になる。
灯里は玲士の手元を見ながら、口を開いた。
「新本籍って、ここになるの?」
「一旦はそれでいいんじゃないかな。将来、家を買ったら変えればいいよ」
「なるほど……」
ふむと灯里は頷いた。
一通り書き終わったところで二人は届出人欄に記名捺印した。
「これでよし」
玲士が婚姻届と戸籍謄本をクリアファイルに入れる。
玲士は椅子から立ち上がりながら、テーブルの上の印鑑を指差した。