悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



――――その日の夜。


二人は東京湾を見下ろすホテルの一室で眼下に広がる夜景を眺めていた。

海の上に浮かんでいるように見える、無数の輝く光。

冬空の下、一面に広がる美しい光の海に灯里は目を輝かせた。


窓際のソファーに座って夜景を見ている灯里の隣で、玲士がサイドテーブルに置いてあった紙袋から小箱を取り出す。

紺色のビロードで包まれたその箱には、二人の結婚指輪が入っている。


「灯里」

「うん」


二人は向かい合い、小箱からそれぞれ指輪を出した。

お互いの左手の薬指に指輪を嵌める。

ラインの形が優美な、プラチナの結婚指輪。


「ぴったりだね。似合うよ」

「うん。玲士も似合ってるよ」


灯里の言葉に、玲士は嬉しそうに微笑んだ。

朝の湖を映したかのような、透明感のある美しい瞳。

ずっと見ていても見飽きない、灯里の大好きな瞳……。


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