悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
言いながら、玲士は灯里の唇に何度もキスを落とす。
灯里はぼーっとしたままそれを受けていた。
やがてギシッという音とともに、玲士が身を起こした。
「朝飯ができる頃に起こすから。それまで寝てなよ」
「……うん……」
玲士はベッドを出、リビングの方へと歩いていく。
その後ろ姿を眺めながら、再び灯里は眠りの世界へと戻っていった。
7:30。
灯里はずずっと味噌汁を飲み、はぁと息をついた。
テーブルに並ぶのはご飯に味噌汁に目玉焼き、そして漬物と海苔。
まさにバランスのとれた和朝食という感じだ。
てっきりパンとコーヒーかなと思っていた灯里は驚いて言った。
「玲士って和食も作れるんだ」
「作るってほどのものじゃないでしょ。ほとんど素材そのままだよ」
と言いつつも、味噌汁は出汁の味からして明らかに違う。
会計士ではなく料理人としてもやっていけるのでは?
と思う灯里の前で、玲士は手際よくお茶を淹れて灯里の前に置いた。