悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「はい」
「ありがと」
淹れてもらったお茶を飲みながら、灯里は内心ではぁと息をついた。
自分より玲士の方が料理の腕は遥かに上だということは知ってはいたが、結婚する以上、これではまずい。
来月から灯里も仕事を始める予定だが、帰宅時間は灯里の方が早い。
となると平日の夕飯は灯里の担当となる。
玲士のレベルとまではいかなくても、自分もある程度は料理ができないとまずいだろう。
「……」
「どうしたの、灯里?」
黙り込んだ灯里に玲士が首を傾げる。
灯里はひとつ息をつき、口を開いた。
「ねえ、玲士。玲士はどうやって料理を勉強したの?」
灯里の質問に玲士は驚いたように眉を上げた。
お茶を一口飲み、少し笑って口を開く。
「特に勉強はしてないよ。外で食べて美味しいと思ったものを自分なりに再現しているだけだからね」
「……へ?」
「食べればなんとなく調味料の組み合わせがわかるんだ。あとは量の調整だね」
それはいわゆる、絶対味覚というやつではないだろうか?