悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
玲士と自分ではそもそもスタートラインが違うらしい。
灯里はがっくりと肩を落とした。
そんな灯里に、玲士は楽しげに言う。
「え? なに? お前が何か作ってくれるの?」
「玲士は今日、仕事でしょ? じゃあ何か、夕飯を作っておこうかなと思って」
灯里が言うと、玲士は嬉しそうに笑った。
本当に嬉しそうなその笑顔にドキッとなる。
灯里は慌ててお茶を飲み、続けた。
「でもあたし、あまり料理ってしたことないから。そんなに期待しないでね?」
「何言ってるの。期待しないわけにいかないでしょ。お前が料理って初めてじゃない?」
「だから、プレッシャーかけないでってば……」
困ったように言う灯里を、玲士は目を細めて楽しげに眺める。
灯里はふぅと息をつき、口を開いた。
「何か食べたいものある?」
灯里の言葉に玲士は一瞬息を飲んだ後、くすりと笑った。
……なんだろう?
と首を傾げた灯里に玲士はお茶を飲んでしみじみと言う。
「まさかお前にそんなこと聞かれるなんてね。ミジンコが人語を話し始めたのと同じぐらいの衝撃だよ」
「特になければ白米のみになるけど?」