悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「可愛らしいお嬢さんね、玲士。写真で見るよりずっといいわ」
「おれが選んだ女だからね」
――――こんな時に何を言っているのかコイツは。
カッと頬を染めた灯里に年配の男性が静かに歩み寄ってくる。
玲士とはあまり似ていない、精悍でダンディな雰囲気の男性。
恐らく玲士のお父さんだろう。
「せっかくの休日に、わざわざ来てもらってすまないね」
「いっ、いえ……」
「さあ、上がってくれ。続きは談話室でしよう」
男性はにこりと笑い、廊下の奥へと案内する。
灯里は玲士に続いて靴を脱ぎ、軽く揃えて玄関を上がった。
無垢の木を使ったフローリングはとても足に優しく、歩いていて気持ちがいい。
見ると、家の柱や梁、そして壁も自然素材の物を使っている。
灯里は廊下を歩きながら家の中をまじまじと見てしまった。
玲士がオーガニックコットンや質の良い雑貨を好む理由がなんとなくわかる気がする。
「おいで、灯里」
「うん」