悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
朝食後、玲士は出勤の準備を始めた。
灯里は朝食の片づけをしながら今日すべきことを頭の中で確認した。
灯里が玲士のマンションに越してきたのは昨日の夜で、これから一週間後の入籍の日まで灯里は基本的に新生活の準備をすることになる。
今日は灯里の荷物が届く予定となっており、灯里は一日、その片付けをする予定だ。
入籍後は銀行通帳や保険の名義変更など、苗字が変わることによるいろいろな手続きを行う予定だ。
「灯里。おれ、そろそろ行くから」
玲士はバサッとスーツの上着を羽織り、ネクタイを整えた。
忍村商事にいたときに玲士のスーツ姿は毎日のように見ていたが、身支度をする姿を見るのは初めてだ。
なんというか……仕事のできる男という感じで、思わず見惚れてしまう格好よさがある。
玄関でぼうっと見上げる灯里に、玲士は軽いキスを落とした。
「じゃあね。行ってくるよ」
「……うん、いってらっしゃい!」
玲士は灯里の頭を軽く撫で、ドアを出ていく。
灯里は玲士が出て行ったドアをしばらくぼーっと見つめていた。