悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「こら、翔太っ」
亮士が止めても聞く様子はない。
翔太はその小さな手で勢いよく灯里の手を取った。
「こっちだよ、おねえちゃんっ」
叫びながら、灯里の手を引いて廊下の方へと行こうとする。
灯里は思わず立ち上がり、翔太に引かれるがまま廊下の方へと歩いて行った。
「えっ、あのっ……」
「おねえちゃん、一緒に遊ぼう!」
――――魔の三歳児。
そのパワーは時と場所を選ばず、そして相手を選ばず放出される。
翔太に引きずられていく灯里を慌てて亮士が追いかける。
「おい、翔太っ! まてっ」
翔太と灯里、そして亮士が廊下の向こうへと消えていく。
玲士たちは唖然とその光景を見つめていた……。