悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
5分後。
翔太に拉致された灯里は翔太とともに庭でボール遊びに興じていた。
その横で亮士が申し訳なさそうな目で二人を見つめている。
「すまないね。後で家の中を案内するから」
「あ、お気になさらず」
三歳児のパワーは強烈だ。
けれどちょうどよく緊張がほぐれたかもしれない。
灯里は翔太とボール投げをしながら亮士に聞いてみた。
「亮士さん」
「なんだい?」
「あの、……玲士くんって昔は、どんな子だったんですか?」
一応相手の親族の前では『さん』か『くん』付けをするのがマナーらしい。
灯里の質問に亮士は少し笑った。
「今とそんなに変わらないよ。口が悪くて、人見知りで……。でもたまに優しいところもあったかな」
「……なるほど」