悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
灯里も今となってはよくわかる。
玲士の優しさ、そして深い愛情……。
毒舌ではあるけれど、温かい心を持っている。
玲士はそういう人だ。
「中学の頃までは天使のような美少年だったんだよね。それで昔から周りにいろいろ言われて、ちょっと性格が歪んでしまってね」
『ちょっと』かどうかは突っ込みたいところではあるが……。
なるほど、と灯里は思った。
「ところできみは、弟さんがいると言ったね?」
「あ、はい。10歳離れています」
「だからかな。きみ、子供の扱いが上手いね~。実は翔太もわりと人見知りなんだ。初対面でここまで懐くのは珍しいよ」
「そ、そうなんですか」
灯里はどうやら人見知りの人間に懐かれる体質らしい。
水澤家限定かもしれないが。
それにしても、亮士もご両親も話してみるととても普通の人だ。
……よかった。
灯里は心底思いながら、翔太にボールを投げ返した。