悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
4.闇の痕
<side.玲士>
談話室の窓からは、庭を眺めることができる。
玲士は庭でボール遊びをしている二人を眺めながら、目を細めて腕を組んだ。
その後ろで母が楽しげにくすくす笑っている。
「翔太、いつもはすごく人見知りなのにね。あそこまで灯里さんに懐くなんて驚いたわ」
「そうだな。灯里さんは子供に慣れているな。二人とも楽しそうだ」
父も目を和めて二人の姿を見ている。
想定外の事態になってしまったが、両親の灯里に対する印象は上々のようだ。
玲士は内心でほっと息をつきながら、二人に視線を戻した。
灯里は庭で翔太とともにボール遊びをしている。
――――その、きらきらした瞳。
あの中学校の体育館で玲士が目を奪われた、輝く瞳……。
「まっすぐに育ったお嬢さんって感じがするわね。翔太もそういうのにけっこう敏感なのよ」
「……」
「予想もしないライバルの出現だな、玲士?」
父が楽しげに笑う。
玲士はくすりと笑い、灯里を見た。