悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……あなたがまさか、女の子を連れてくるなんてね」
くすりと理代は笑う。
玲士は理代の手を払いのけ、氷のような目で理代を見下ろした。
理代は玲士を見上げ、小声で囁くように言う。
「あの子、知ってるの? あのこと」
「あんたには関係ない」
「そう? ……ねぇ玲士君、あなたまだ、あのことを怒ってるの?」
理代の濡れたような瞳が玲士をじっと見上げる。
玲士はブリザードのような苛烈な視線で理代を見下ろした。
「おれに近寄るな」
「私も反省してるのよ。親族なのにあなたと一生こんな関係でいるのは辛いわ。……どうしたらあなたは私を許してくれるのかしら?」
玲士は無言で理代を見下ろした。
理代が望んでいるのは玲士と普通の義姉弟関係になることらしい。
しかし玲士の心にはあの汚れた闇の痕がまだ残っている。
理性ではもう許してもいい、許さねばと思っている。
けれど感情が、あの時の傷ついた心が、絶対に許せないと悲鳴を上げる。