悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~




「いくよ~、それっ!」


翔太の声とともにボールが飛んでくる。

灯里は飛んできたボールを慌てて追いかけた。

ボールは灯里の手をすり抜け、庭の隅の方へと飛んでいく。


「おい、翔太っ」


亮士が翔太をしかりつける。

しかし翔太はにこにこしながら灯里を見つめており、全く亮士の言うことを聞く気配はない。

亮士ははーっとため息をついた。


「こいつ、このごろ反抗期でねー。なかなか僕の言うこと聞かないんだよ……」

「大丈夫ですよ~。取ってきますね!」


灯里はボールを追いかけ、庭の隅の方へと行った。

ボールは庭木の手前に落ちており、灯里は腰をかがめてボールを拾った。

……そのとき。



『あの子、知ってるの? ……あのこと』



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