悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
頭の上の小窓から声が聞こえ、灯里は思わず息を潜めた。
この声は多分、亮士さんの奥さんだ。
確か理代さんと言ったはず。
しかし続いた声に灯里は目を見開いた。
『あんたには関係ない』
玲士の声だ。
聞き間違えるはずもない。
灯里は固まったままその場に立ち尽くしていた。
『ねぇ玲士君、あなたまだ、あのこと怒ってるの?』
『……』
『私も反省してるのよ。親族なのにあなたと一生こんな関係でいるのは辛いわ。どうしたらあなたは私を許してくれるのかしら?』
二人の会話。
なんのことなのかよくはわからない。
けれど……なんとなく。
聞いてはいけない話を聞いてしまった気がする。
ここにいては、まずい。
灯里はぐっと拳を握りしめ、ボールを持ってその場を後にした。