悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



玲士は足を止め、灯里の肩を掴んだ。

はっと顔を上げた灯里の顎を指先で掴み、氷のような視線で見下ろしてうっすらと笑う。

その悪魔のような微笑み。

――――やばい、言いすぎた。

灯里は背を強張らせた。


「そのおかしい奴を好きなのは、どこのどちら様でしたっけ?」

「……っ」


玲士は目を細めて灯里を見下ろしている。

灯里の鼻先に甘いウッドノートの香りがふわりと漂う。

灯里はぐっと唇を噛み締めて玲士を見上げていたが、次第に玲士の顔が近づいてくることに気づき慌てて玲士の肩を掴んだ。


「ちょ、ちょっとっ! ここ道路っ」

「おれはあいにく普通じゃないからね。別にどこだろうが、かまわないけど?」


言い、玲士は灯里の唇に軽くついばむようなキスを落とす。

灯里は真っ赤になり、玲士の肩を突き飛ばした。

――――誰に見られるかわからない、こんな往来で!!

やはり悪魔、人の感覚では考えもつかないことをやってのける。


「な、なにすんのよあんたっ」

「マーキング」

「……っ!」

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