悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
ますます灯里の顔が赤くなる。
玲士はくすくす笑い、灯里の手を握った。
――――やはりまだ自分は悪魔には敵わないらしい。
二人は再びバス停のほうへと歩き出した。
「ところで。お前、今度誕生日だよね?」
「あ、うん」
灯里は今月末で27歳になる。
社会人になると一年過ぎるのが早いとは言うが、確かにそうかもしれない。
特に去年は怒涛の勢いで一年が過ぎていった。
仕事が忙しかったというのもあるが、玲士と付き合い始めたというのが一番大きい。
「何か希望はある? 行きたい場所とか」
「うーん、そうだなぁ……」
灯里は歩きながら考えた。
――――行きたい場所。
これまでは街の中で会うことが専ら多かった。
たまにはちょっと違う場所にも行ってみたい気もする。
「海とか山とか、かなー……。でも玲士、時間取れるの?」
「今度の週末は空けてあるから大丈夫。一泊でどこかに小旅行に行くのもいいかもね」