悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
そういえば、今更ながらよくよく考えてみると……。
あれが自分のファーストキスだったような気がする。
玲士の瞳に吸い寄せられるように目が離せなくて、それで……。
頬に手を当てた灯里を、玲士は不思議そうに見下ろす。
「なに? どうかしたの?」
「……なんでもない」
灯里はあははと笑い、玲士を見上げた。
ファーストキスも初体験も、この悪魔は灯里が予想もしないタイミングで奪っていった。
やはりこいつは天性の悪魔なのかもしれない。
――――でももう、離れられない。
灯里は握った手にぎゅっと力を込めた。