悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



夜。

灯里はベッドの上で両膝を抱えて考え込んでいた。

挨拶はそれなりにうまくいったと思う。

それはいい、しかし……。



『あの子、知ってるの? あのこと』

『あんたには関係ない』

『あなたまだ、あのこと怒ってるの? どうしたらあなたは私を許してくれるのかしら?』



あのときの玲士と理代の会話がどうも気になって頭から離れない。

談話室で見ていた限り、二人の態度は特におかしなところはなかった。

けれど……。


二人の会話から察するに、どうやら二人の間には何か確執があるらしい。

玲士は大学の頃からずっと一人暮らしをしていた。

けれど今日灯里が見る限り、とても温かそうな普通の家庭だった。

家族と折り合いが悪くてという理由ではなさそうだ。


なぜ玲士は一人暮らしをしていたのか?

あの会話と、何か関係があるのだろうか?


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