悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……」
気になるが、玲士が何も言っていない以上灯里から聞くわけにはいかない。
灯里も晃人との過去を全て玲士に話しているわけではない。
それと同じように、玲士にもまだ灯里に話していない過去があるのだろう。
知りたい、とは思う。けれど……。
灯里は膝に額を押し付けた。
なんとなくだが、玲士はこのことを自分に知られたくないと思っている。
――――そんな気がする。
であれば玲士が話してくれるまで待つしかない。
玲士が話したいと思った時に話してくれればいい。
そう思うのに、二人の会話が頭から離れない……。
灯里は膝を抱いたまま、ベッドの上にぼすっと横たわった。