悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
いきなり『お前』?
しかも言ってる内容も内容だ。
灯里はカッと頭に血が上るのを感じた。
――――なに、コイツ?
こんなに綺麗な顔なのに、見た目に反して中身は強烈。
灯里はぐっと手を握りしめ、少年を睨みつけた。
「あ、あなたに、そんなことっ……」
「事実だから言ったまでだけど。そもそもフルートが平行になってない。持ち方からしてなってないよ」
少年の指摘に灯里は愕然とした。
それは先生から何度も言われていたことでもあった。
黙り込む灯里に、少年はアルトの声で言う。
「それと、歌口を塞ぎすぎ。もっと唇を引かないと音が出ないよ?」
「……っ」
灯里は息を飲んだ。
――――指摘は全てもっともだ。
ぐっと黙り込んだ灯里に、少年は氷のような目を細めてうっすらと笑う。