悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「んー、風が気持ちいいな~」
「お前、あんまりそっちに行くと濡れるよ?」
玲士の手が灯里の腕を掴み、そっと引き寄せる。
灯里はドキッとし、思わず玲士を見上げた。
……朝の湖を映したかのような、透明感のある美しい瞳。
今、その瞳には灯里を見守るような力強さがある。
「……」
灯里はドキマギしながら前に海で玲士に言われた言葉を思い出した。
『これから、お前を護っていくのはおれだから。お前の心も、体も。おれの全てでお前を護っていくよ』
その言葉通り、玲士はその心で、体で、灯里を護ろうとしてくれている。
前に比べて大人っぽくなった玲士。
毒舌でイジワルではあるけれど、大人の落ち着きというか、余裕が出てきたような気もする。
灯里は俯き、玲士の手をぎゅっと握りしめた。
今の自分は玲士に釣り合っているのだろうか?
「灯里?」
「……」
「どうかしたの?」