悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
2.未来の誓い
夕方。
灯里は玲士が予約してくれた海沿いのホテルの一室で海風に吹かれていた。
部屋はリゾート風のゆったりした造りで、部屋から続くウッドテラスの上には木でできた広めのテーブルと椅子が置かれている。
テーブルの上には飲み物や果物が置かれており、その脇には赤や黄色の色鮮やかな花が活けられている。
見るからに上質な感じのホテルだ。
灯里はウッドテラスの柵に肘をつき、夕暮れに染まる海を眺めていた。
「いいところだね。こういうところに来るの、初めてだよ」
「そう? なら良かった」
玲士も灯里の隣で海を見下ろしている。
玲士の真っ直ぐな黒髪が夕日に透けるように輝き、透明感のある黒い瞳が夕日に染まる海を穏やかに映す。
夕日の中にいる玲士は息を飲むほどに美しい。
思わずぼうっと見上げた灯里に玲士は少し笑って言った。
「そういえばね。夕飯はここで食べるから」
「……え?」
「ここは全室、部屋ごとに食事が出るんだ。もうすぐ来ると思うよ」
夕飯が部屋出しって……。
なんか高級旅館というイメージだ。
驚いた灯里に玲士はくすりと笑う。