悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「ちなみにチェックアウトは明日の15時まで」
「えっ?」
「のんびりできる方がいいでしょ?」
チェックアウトが15時って……
灯里は驚き、玲士を見上げた。
灯里が想像していたより遥かに良いホテルだ。
やがてドアが軽くノックされ、『失礼いたします』の声とともに従業員服に身を包んだ女性達が入ってきた。
灯里が見ている前でウッドテラスのテーブルが素早くセッティングされ、あっと言う間にカトラリーや料理が並んでいく。
一通り並び終わったところで従業員の一人が玲士に声をかけた。
「お客様。シャンパンはロデールのクリスタル・ブリュットでよろしかったでしょうか?」
「ええ」
玲士は差し出された紙にさらさらっとサインし、従業員に渡す。
従業員は紙をしまい、深々と一礼した。
「それでは、どうぞごゆっくり御寛ぎくださいませ」
パタンという音とともに従業員の姿がドアの向こうへと消えていく。
灯里はしばし無言でそれを眺めていたが、玲士に腕を引かれてテーブルについた。