悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
そんなことを考えていた灯里の前に玲士はそっとシャンパンのグラスを置いた。
見ると玲士も既に席に着いている。
「では始めるよ、灯里」
「うん」
玲士が静かにグラスを持ち上げる。
灯里も手を伸ばし、グラスを持ち上げた。
「誕生日おめでとう、灯里。……乾杯」
「乾杯!」
カツンとグラスの間に小さな音が響く。
灯里はシャンパンを一口飲み、顔を輝かせた。
「おいしい!」
シャンパンは甘口で、果物の香りと口当たりの良い泡が優しく口の中に広がる。
――――こんなシャンパン、飲んだことがない。
目を輝かせる灯里を玲士の瞳が優しく見つめる。