悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
灯里は差し出された小箱に指を伸ばした。
パチッと留め具を外し、蓋を開ける。
中に入っていたのは女性用の腕時計だった。
文字盤には夜光貝と白蝶貝が花の形に埋め込まれ、それに沿って小さなエメラルドが並んでいる。
ベルトは上質な皮で、とても手触りがいい。
「かわいい……」
灯里はそのデザインに一目で引き込まれた。
玲士が選ぶものはセンスがいい。
目を輝かせる灯里を玲士は目を細めて見つめている。
「つけてあげるよ」
「うん」
玲士は灯里の左腕を取り、腕時計を手際よく付けた。
ひやりとした金属の感触と、肌に優しい皮の感触。
時計は灯里の肌になじみ、キャンドルの光に優しく輝いている。