悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
2.作戦会議
「あー……もう朝か……」
枕元で目覚まし時計がジリリリと大きな音を立てている。
どうやら思い出しているうちに眠ってしまったらしい。
灯里は目覚まし時計を止め、むくりと起き上った。
懐かしい記憶。
玲士と初めて会った、あの初夏の日から14年。
二人の右手の薬指には銀の指輪が嵌まっている。
――――約束の指輪。
クリスマスに二人で選んだ、未来をともに歩く証。
あれから4か月。
先週灯里の両親への挨拶が済み、今日は玲士の実家に挨拶に行く予定だ。
灯里は深呼吸し、ゆっくりと立ち上がった。
挨拶となるとさすがに緊張する。
玲士とは11時に駅で落ち合い、昼食をともにしてから玲士の実家に向かうことになっている。
玲士の実家は駅からバスで20分ほどのところにあるらしい。
灯里はもちろん玲士の実家に行ったことはない。
玲士は忍村商事に勤めていたとき、会社の近くで一人暮らしをしていた。
実家がこんなに近いのになぜわざわざ一人で住んでいたのか?
気になると言えば、気になる。