悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「前にも言ったけど。おれは今年中に結婚したいって思ってる」
「う、うん」
「式は今年中でなくてもいいけど、年内には入籍して一緒に住みたい」
玲士の言葉に灯里は目を見開いた。
……入籍。
確かに結婚イコール入籍だ。
しかしそこまでにどういう順番で何をしていけばいいのか、よくわからない。
それに一緒に住むとなったら恐らく灯里が東京に行くことになるだろう。
その場合、仕事はどうするのか?
「……」
これまであまり現実的に考えてなかったが……
これは灯里にとって、人生の大きな転換ではないだろうか?
今更ながら気付いた結婚の重みに灯里は背筋を強張らせた。
もちろん玲士と一生を歩むことに不安はない。
灯里もそうしたいと思っている。
けれど実際の生活がどうなるのかを考えると、得体のしれない不安が胸をよぎる。
「……灯里?」
「……」
「灯里!」