悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「え、なんで?」
「お前とあいつが同じ屋根の下にいるって思うと、夜も眠れない。考えるたびに気が狂いそうになるよ」
「……」
「おれの心の平穏のために辞めてもらえるとありがたいね。まぁこれはあくまでおれの希望だけどね?」
灯里はあんぐりと口を開けた。
それを言われても、灯里としてはどうしようもない。
脱力した灯里に玲士はくすりと笑って続ける。
「お前がどうしたいかが一番大事だからね。よく考えてみて、灯里?」
「うん……」
灯里は頷き、再びスプーンを動かし始めた。
自分がどうしたいのか……。
しっかり考えて答えを出さねばならない。
結婚までの道のりは長い。
灯里は息をつき、コーヒーを一口飲んだ。