悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
灯里は部屋を出、階段を下りた。
今日は土曜日だ。
リビングに行くと、父と母、そして弟の柾貴の姿が見えた。
「おはよ~」
「あら、ようやく起きたの。のんびりしてるわね、全く」
母の智子が呆れたように灯里を見る。
灯里は肩をすくめ、キッチンの棚から朝食のパンを出した。
父の誠三は新聞を読みながらダイニングテーブルでコーヒーをすすっている。
灯里はその隣に座り、テーブルの上のコーヒーサーバーから自分のカップにコーヒーを淹れた。
「今日、あちらの家に挨拶に行くんだろう?」
「うん。昼前に出ていくつもり」
「支度はしたか?」
「ううん、これから。朝ご飯食べたら支度するよ」
灯里の言葉に父ははぁと息をついた。
その目が心配そうに灯里を見つめている。
「しかし……大丈夫か? お前。わしには水澤さんの家がどんな感じか全く想像がつかんのだが」
「……」