悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



夜。

灯里はベッドに座って玲士の電話を待っていた。

忙しさのピークは過ぎたらしく、前に比べて電話の頻度は少し増えた。


今、玲士は米国公認会計士試験の勉強をしているらしい。

はっきり言って灯里にはどんな試験なのか全く想像できないが、試験は7月にあるらしく、それに向けて勉強しているらしい。

やはり自分も資格の一つぐらいは取らないとまずいだろう。

しかし営業事務という資格はないため、取るとしたら簿記やパソコン系の資格だろうか。


「……」


正直、簿記はよくわからない。

仕事で伝票を作ったりはしているが、貸借対照表や損益計算書を作れと言われても全くできない。

玲士は簿記のスペシャリストなので頼めば教えてくれるかもしれないが、あの地獄の特訓を思い出すとどうも逃げ腰になってしまう。

となると、パソコン系の資格だろうか?

表計算ソフトや文章入力ソフトなど、仕事で使っているものなら灯里も少しはわかる。

簿記よりは興味が持てそうな気もする。

……なんとなくだが。


とその時、ブルルッという音とともに携帯が鳴った。


「もしもし」

『おれ』


玲士の声だ。

灯里は目を輝かせ、携帯を握りしめた。


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