悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「今日は早いね、玲士」
『あぁ。さっき、勉強がひと段落ついたところだよ』
やはりずっと勉強していたらしい。
以前玲士が忍村商事にいたとき、消えてしまったファイルを玲士が物凄い集中力で復元してくれたことを灯里は思いだした。
あの集中力であればさぞかし勉強も捗るだろう。
まだどうすべきか迷っている自分に比べて雲泥の差だ。
思わずはぁと息をついた灯里に、玲士が電話越しに言う。
『どうしたの、灯里?』
「……ううん。あたしも何か資格でも取ろうかなって思ってね」
『資格? どうして?』
玲士の言葉に、灯里は携帯のストラップをいじりながら口を開いた。
「もし東京に行くとしたら、転職しないとならないでしょ? 何か資格があった方が転職には有利かなって思って」
『なるほどね。お前が資格なんて、天変地異の前触れかと思ったよ』
「……」