悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
<side.玲士>
プツ、という音とともに通話が切れる。
玲士は通話終了ボタンを押し、携帯を閉じた。
「……」
――――灯里が、資格。
玲士はサイドテーブルに携帯を置き、ベッドに腰掛けた。
この間の話の後、灯里がどう思ったのかは玲士にはわからない。
少なくとも東京には来てくれるつもりのようだ。
けれど。
「資格、か……」
どうやら仕事を辞めるという選択肢はないらしい。
灯里の性格を考えると、それもわかるような気がする。
社会人4年目となると、灯里もそれなりに仕事に対して思うところがあるのだろう。
灯里は真面目だ。
入社してからずっと、灯里が真摯な態度で仕事に向き合ってきたのを玲士も知っている。
だから玲士も灯里の望みを極力叶えたいと思っている。
……けれど。