悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



「灯里……」


玲士はベッドのヘッドボードに寄りかかり、天井を見上げた。

本当は、仕事はどちらでもいいからすぐにでもここに来てほしい。

一日でも早く、ここで自分と一緒に暮らしてほしい。


けれどそれを灯里に言うことはできない。

言葉に出せば灯里を縛り付けてしまう。

灯里の望みや希望を尊重したいという思いも同じぐらい強い。


「……」


今は灯里の返事を待つしかない。

玲士は天井を見上げながら腕を組んだ。


灯里に好きだと言われてから、まだ一か月ほどしか経っていない。

そして正式にプロポーズしたのは先週だ。

本当はもっと、ゆっくり事を進めるべきなのかもしれない。


―――― 一か月前のあの夜。

灯里に好きだと言われた瞬間、玲士は自分の心を押さえていた鎖が千切れ飛ぶのを感じた。

灯里の心が自分にあるのなら、二人の関係を、この運命を確実なものにしたいと衝動的に思った。


< 76 / 222 >

この作品をシェア

pagetop