悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「灯里……」
玲士はベッドのヘッドボードに寄りかかり、天井を見上げた。
本当は、仕事はどちらでもいいからすぐにでもここに来てほしい。
一日でも早く、ここで自分と一緒に暮らしてほしい。
けれどそれを灯里に言うことはできない。
言葉に出せば灯里を縛り付けてしまう。
灯里の望みや希望を尊重したいという思いも同じぐらい強い。
「……」
今は灯里の返事を待つしかない。
玲士は天井を見上げながら腕を組んだ。
灯里に好きだと言われてから、まだ一か月ほどしか経っていない。
そして正式にプロポーズしたのは先週だ。
本当はもっと、ゆっくり事を進めるべきなのかもしれない。
―――― 一か月前のあの夜。
灯里に好きだと言われた瞬間、玲士は自分の心を押さえていた鎖が千切れ飛ぶのを感じた。
灯里の心が自分にあるのなら、二人の関係を、この運命を確実なものにしたいと衝動的に思った。