悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
あの時もし灯里が冷静な反応を返していたら、また結果は違ったのかもしれない。
けれどあのとき、灯里は結婚したいという玲士の気持ちを受け入れてくれた。
灯里も同じ気持ちだと知り、玲士は心の底から嬉しいと思った。
ひとつ希望が叶うたびに、またひとつ欲が生まれる。
――――欲には限りがない。
どこかで止めねばならない。
そう思うのに、灯里に対する欲は止まるところを知らない。
「……灯里……」
脳裏に浮かぶ輝く笑顔。
心から幸せにしたいと思う、唯一の人……。
灯里の望みを聞きたい。
自分の望みは後回しでもいい。
玲士はそっと目を閉じた。