悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
そして一週間後の夜。
灯里は玲士からの電話を待っていた。
確か今日は試験の結果が出る日だ。
ドキドキして待つ灯里の手元で、ブルルッと携帯が鳴った。
「もしもしっ」
『あぁ、灯里?』
いつもと変わらないテノールの声。
灯里はぐっと携帯を握りしめ、口を開いた。
「試験、……どうだった?」
『だめだった』
「……えっ」
灯里は思わず息を飲んだ。
……まさか。
と思った灯里の耳元に、玲士の声が響く。
『……なんてわけないでしょ。おれを誰だと思ってんの?』
電話越しにくすくすという楽しげな笑い声が響く。
灯里ははーっと肩を下ろした。
――――相変わらずの自信に満ちた声。
灯里はため息をつきながら言った。