悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「ちょっと、言っていい冗談と悪い冗談があるでしょ?」
『ごめんね』
「でもさ。もし万が一受からなかったら、どうするつもりだったの?」
灯里の言葉に玲士は電話向こうでくすっと笑った。
……余裕を感じさせる、その笑い方。
灯里は耳をそばだてた。
『万が一なんて言葉は、おれにはないね』
「……は?」
『おれは受かる試験しか受けない。だからこれまで、試験に落ちたことはないよ』
――――何という自信。
玲士はプライドが高いが努力の人でもある。
きっとこうと決めたことはどんなことがあってもやりとげるのだろう。
それは多分、自分に対しても同じだ。
『でね、灯里。試験に通ったせいかどうかはわからないけど、実は役職が変わってね』
「え?」
『これまではアナリストだったんだけど、アソシエイトになった。今度新しい名刺を渡すよ』
アソシエイト……。
エクソシストとちょっと似ているが、多分違うだろう。
どんな役職なのか全くピンとこない。
首を傾げる灯里に玲士は簡単に説明する。