悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
そして20分後。
電話を切った灯里はベッドの上に横になった。
天井を眺めながら息をつく。
玲士の昇進は心から嬉しいと思う。
けれど……。
灯里がモタモタしている間にどんどん玲士は上へと進んでしまう。
やはり資格を取り、もっと上のランクの仕事に就きたい。
焦りがじわりと灯里の胸に広がっていく。
「……勉強しよっと」
灯里は机に戻り、ITパスポートの参考書を開いた。
――――試験はあと二週間後。
もう、時間がない。
やれるだけやるしかない。
灯里は参考書に向き直り、ノートを開いた。
……そんな灯里に。
全く思いもよらないところから、黒い手が伸びようとしていたことを――――。
この時の灯里は知る由もなかった……。