悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「……っ」
嘘だ、信じたくない。
灯里は目を見開いたまま、膝の上でぐっと拳を握りしめた。
冷たい汗が背筋を流れていく。
「灯里さんが信じたくないのもわかるわ。けれど私たち、義理姉妹になる仲でしょう?」
「……」
「玲士君としてもこのままの関係をずっと続けるのは辛いと思うの。だから過去の確執は早めになくして、お互い仲良くやっていけたらって思って……」
理代は目を細め、哀しげな声で続ける。
灯里はしばしテーブルを凝視していたが、やがてゆっくりと顔を上げ、理代を見た。
その顔はこれまでにない苦しみに染まっている。
灯里の唇がわななくように震える。
「理代さん。……なぜこの話を、あたしにしたんですか?」
「最初に言ったけど、灯里さんに、玲士君に私を許すように伝えて欲しかったから……」
「そうではなくて。あたしが誰かに言うとか、考えなかったんですか?」
重い声で呻くように言った灯里に、理代は少し目を細めて笑った。
――――余裕すら感じる笑み。
灯里はその笑顔に背筋がぞっとするのを感じた。