悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
灯里は言い、冷蔵庫脇のラックから玉ねぎを取り出した。
その目はどこか虚ろでぼんやりしている。
心配そうな柾貴の視線の前で、灯里はタマネギをまな板の上に置いた。
――――どすっ。
タマネギの頭の部分がまな板の上に転がる。
それを見ていた柾貴はヒィと悲鳴を上げた。
「おっ、お姉ちゃん!?」
「……ん、なに? 柾貴」
「お姉ちゃん、どうしたの? なんか今日、おかしいよっ!?」
「……」
「カレーはぼくが作るから、お姉ちゃんは自分の部屋に行ってて! できたら呼ぶから!」
柾貴は灯里の包丁を取り上げ、灯里を廊下の方へと押した。
心配そうに見つめる柾貴の視線の前で、灯里は茫洋とした表情で二階への階段を上がっていった。